図解
※記事などの内容は2019年1月17日掲載時のものです
厚生労働省が誤った手法で毎月勤労統計調査を行っていた問題で、政府は17日、同省の鈴木俊彦事務次官ら幹部を処分する方向で検討に入った。同省は弁護士らを交えた特別監察委員会で原因を究明し、それを踏まえて具体的な処分内容を決める。調査の手引書にあった不適切な調査方法を容認する記述を削除して隠蔽(いんぺい)しようとした疑いも浮上し、問題の根深さが浮き彫りになった。
事務次官らの処分は、雇用・労災保険の追加給付などで政府の予算案が修正に追い込まれる異例の事態となったことを重視した。根本匠厚労相は同日、記者団に対し、処分について「事実がどうであったかを踏まえ、対応したい」と語った。
毎月勤労統計調査をめぐっては、500人以上の事業所は全数調査とするよう定められているのに、厚労省は2004年から東京都で不正な抽出調査を継続。統計を所管する総務省に対し、実態とは異なり、全数調査を行っているかのように届け出ていた。
さらに、毎月勤労統計の調査手法などが詳しく記載された「事務取扱要領」と呼ばれる手引書の04年版には「全数調査をしなくても統計の精度は確保できる」といった趣旨の表現があったが、15年版では削除されていたことも17日、判明した。
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