図解
※記事などの内容は2018年2月22日掲載時のものです
たばこの受動喫煙対策を強化する健康増進法改正案をめぐり、厚生労働省は22日の自民党厚労部会に、喫煙を例外的に認める既存飲食店の基準を「客席100平方メートル以下」とする修正案を示し、実質了承された。運営会社は「資本金5000万円以下」が条件。東京五輪・パラリンピック開催前の2020年4月1日に全面施行させ、5年後に見直す。
政府は近く閣議決定し、改正法案を今国会に提出する。調理場などを含めた面積は150平方メートル程度となり、たばこ産業や外食業界の意を受けた自民党分煙派に譲歩した。ただ、超党派の受動喫煙防止議員連盟が厚労省当初案に沿った厳格な対案を策定。国会提出を模索し、採決時に党議拘束を外すよう働き掛けており、曲折も予想される。
了承された修正案は、基本方針に「望まない受動喫煙をなくす」と掲げ、施設ごとに禁煙措置を規定。新規開業や大手の飲食店では加熱式たばこの分煙を認めるが、発がん性物質などをより多く含む紙巻きたばこは密閉された喫煙所でしか吸えない。
一方、資本金5000万円以下の中小企業や個人が運営する既存店のうち、客席100平方メートル以下では時限的に紙巻きたばこを含め喫煙を認める。該当する店は最大5割余りあると推計され、新規開業による入れ替わりで徐々に減らす。
喫煙所を設ける場合は表示義務を課し、従業員を含め20歳未満の立ち入りを禁じる。命令に従わない違反者への罰則は個人に30万円以下、事業者に50万円以下の過料を科す。
国の指針「第3期がん対策推進基本計画」(17~22年度)で棚上げされていた受動喫煙対策の数値目標は見送り、「五輪に向け対策を徹底し、望まない受動喫煙のない社会を早期に実現する」と明記するにとどめた。
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