図解
※記事などの内容は2019年6月19日掲載時のものです
日米欧の中央銀行が金融緩和に向けた政策スタンスを鮮明にしている。物価上昇圧力が弱い中、世界経済の先行きに懸念が強まっていることが背景にある。これを受け、金融市場では長期金利の低下が進行。今年後半からの世界経済の持ち直しに市場は懐疑的になっている。
「(物価目標達成が危ぶまれれば)追加金融緩和が必要だ」。欧州中央銀行(ECB)のドラギ総裁が18日の講演で追加緩和を示唆すると、フランスやドイツで国債利回りが低下。19日の東京市場でも、長期金利の指標となる10年物国債の利回りが一時マイナス0.155%まで下がり、2016年8月以来、2年10カ月ぶりの低水準を記録した。
一方、米国に関しては、既に年内に2回程度の利下げが市場で見込まれている。黒田東彦日銀総裁は10日、外国通信社のテレビインタビューで「物価上昇の勢いが失われれば、追加緩和を行う」と強調。日銀の金融政策の限界論に反論している。
08年のリーマン・ショック後、金融緩和が欧米に比べ遅れたことが円高を招き、デフレ克服に失敗したとの批判は日銀にとって「トラウマ」となっている。
日銀は20日、前日に続き金融政策決定会合を開く。欧米の経済運営や金融市場の動向を見極めながら政策判断することになりそうだ。
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