図解
※記事などの内容は2017年4月18日掲載時のものです
日銀の新たな審議委員に、三菱UFJリサーチ&コンサルティング上席主任研究員の片岡剛士氏(44)と三菱東京UFJ銀行取締役(元副頭取)の鈴木人司氏(63)が就任する見通しとなった。このうち、片岡氏は継続的な物価上昇を通じて経済成長を目指す「リフレ派」の論客。これまでも大規模な金融緩和の必要性を訴えており、日銀の金融政策をめぐる議論に影響を与えそうだ。
日銀の金融政策を決める政策委員会は計9人で構成。片岡氏は、岩田規久男副総裁、原田泰審議委員に続く3人目のリフレ派メンバーとなる。
エコノミスト出身の木内登英、佐藤健裕両審議委員が7月に任期満了を迎えるのに伴う後任人事案として政府が18日、衆参両院に提示した。木内、佐藤両委員は大規模緩和に反対してきただけに、市場機能低下など緩和の副作用をめぐる議論の形骸化も進みそうだ。
鈴木氏は三菱東京UFJ銀で市場部門の責任者などを務めた。昨年、三井住友銀行出身の石田浩二委員が退任してから空席となっていた「メガバンク枠」が復活する。金融機関にとって収益圧迫懸念が強いマイナス金利政策の強化には慎重姿勢を示す可能性もある。
リフレ派の片岡氏起用について、BNPパリバ証券の白石洋シニアエコノミストは「政府には、日銀人事により金融政策に影響力を及ぼそうとする意志が感じられる」と指摘する。
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