図解
※記事などの内容は2016年7月29日掲載時のものです
日銀は29日、金融政策決定会合を開き、追加金融緩和を賛成多数で決めた。緩和は1月のマイナス金利政策の導入決定以来、6カ月ぶり。株価指数連動型の上場投資信託(ETF)の買い入れを現在の年3.3兆円から6兆円に増額する。企業や金融機関の外貨調達の支援強化も決めた。金融機関が預ける日銀当座預金の一部に適用するマイナス金利は現行水準のマイナス0.1%に据え置いた。
日銀は政府が8月2日閣議決定する総合的な経済対策と「相乗効果を発揮する」と表明。政府と日銀が連携し、デフレ脱却へ向け、2%の物価上昇目標の実現を目指す強い決意を示した。
ETF買い入れの増額は政策委員9人のうち、賛成7人、反対2人だった。通貨供給量を増やすため実施している現在の年間80兆円の国債購入は増額を見送った。
今回の会合でまとめた日銀の最新予測である「経済・物価情勢の展望(展望リポート)」では、2%の物価上昇目標の実現時期について、従来通りに「2017年度中」としながらも「海外経済の不透明感から不確実性が大きい」との文言を加えた。
日銀は追加緩和の理由に関し、英国の欧州連合(EU)離脱問題や新興国経済の減速など海外経済の不透明感が高まり、金融市場は不安定な動きが続いていることから「企業や家計のコンフィデンス(心理)悪化につながるのを防止する」のが狙いだと説明した。
展望リポートでは、16年度の消費者物価(除く生鮮食品)上昇率見通しを前年度比0.1%(従来0.5%)に下方修正。17年度は1.7%と従来見通しを維持した。
今後の金融政策に関しては「必要な場合は追加的な金融緩和措置を講じる」と改めて強調。次回9月の決定会合で、現行の大規模緩和政策の効果などについて、総括的検証を行うことを明らかにした。
新着
会員限定