図解
※記事などの内容は2018年12月5日掲載時のものです
財務省が、乳児用液体ミルクの原料となるホエイ(乳清)を輸入する際にかかる関税率を来年4月に引き下げる方針を固めたことが5日、明らかになった。液体ミルクは今年8月、厚生労働省が国内の製造・販売を解禁。関税率引き下げは国内のホエイ生産者を保護する観点から一定量に限るが、メーカーが原料を安く調達できるようにして普及を後押しする。
液体ミルクは常温で長期保存でき、開封してすぐ飲めるため、災害時用の備蓄や外出中の利用に便利だとされる。財務省は液体ミルクの普及が、子育て支援にもつながると判断した。
液体ミルク用ホエイの関税率引き下げは農林水産省が財務省に要望しており、関税・外国為替等審議会(財務相の諮問機関)の分科会が今月11日、引き下げを答申する。これを受け、政府は引き下げを盛り込んだ関税暫定措置法改正案を年明けに閣議決定し、通常国会に提出する。
関税率引き下げには、一定の輸入量まで無税・低関税とする「関税割当制度」を活用する。
ホエイの関税は現在、用途によって異なる。ホエイから粉ミルクを製造する場合、関税は年2万5000トンまで10%に抑えている。この量を超える場合などは29.8%の高税率に加え、1キロ当たり99~1023円がかかる。
一方、ホエイから液体ミルクを製造する場合、低関税枠はなく、全てに粉ミルク用の低関税枠を超えた分と同じ関税がかかっている。来年4月からは粉、液体ミルク用を合わせて年2万5000トンまで10%の低関税を適用し、液体ミルク用の関税を下げる方向だ。
新着
会員限定