図解
※記事などの内容は2016年10月22日掲載時のものです
政府は、乳児用液体ミルクの国内製造、販売に向けた制度整備に乗り出す。安全基準を設定するため、業界団体にデータ提供を促し、早ければ来年度からの流通を目指す。安倍政権が掲げる「1億総活躍社会」実現の一環で、育児負担を軽減する狙いがある。
液体ミルクは常温で保存でき、封を開けて吸い口を装着すればすぐに飲めるのが特長だ。東日本大震災の際、海外から緊急支援物資として届けられたのを機に、個人で輸入する人が出始めた。湯に溶かす粉ミルクと比べて簡便なため、男性の育児参加を促進する効果が期待されている。
国内で製造、販売されていないのは、食品衛生法に基づく安全基準がないからだ。常温保存の液体ミルクは、細菌が発生しやすいなどの問題点も少なくない。基準設定には厚生労働省令の改正が必要で、塩崎恭久厚労相は18日の記者会見で、業界団体から試験データの提供があれば速やかに専門的な検討に入る考えを明らかにした。
製品に「乳児用」と表示するには、健康増進法上の「特別用途食品」として首相の許可も必要になる。松本純消費者行政担当相は18日の会見で「厚労省等での議論を注視しつつ、早急に対応できるよう準備を進めたい」と語った。
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