図解
※記事などの内容は2018年12月4日掲載時のものです
ポーランド南部のカトウィツェで2日から14日まで、国連気候変動枠組み条約第24回締約国会議(COP24)が開催されている。2020年以降の国際枠組み「パリ協定」を運用するルール策定が主な議題だ。具体的に何が話し合われているのか探ってみた。
-COPって何?
「Conference of Parties」の略だ。パリ協定の親条約「国連気候変動枠組み条約」の締約国が毎年集まって開く会議で、数字は第何回かを表している。1997年の第3回会議(COP3)では京都議定書が採択された。
-なぜパリ協定を作ったの?
温室効果ガスの削減を目指してできた京都議定書は、中国やインドを含む途上国に削減義務がなく、これを嫌った米国も離脱して、排出量世界1位の中国と2位の米国がいない骨抜き状態になっていた。パリ協定は、全ての国に削減目標の提出を求める代わりに、目標達成を義務化しないことで、米中をはじめ多くの国の合意を得たのが特徴だ。
-パリ協定採択後も議論している理由は?
協定で「世界の産業革命前からの平均気温上昇を2度未満に抑える」といった基本的な方向は決まったが、詳細は未定なんだ。このままでは、国同士で比較できないくらいバラバラな削減目標が立てられたり、目標の達成状況が検証できないほど不透明な報告書が出てきたりする可能性がある。先進国はできるだけ各国共通のルールを作るべきだと主張している。COP24を「協定に魂を吹き込むための交渉」と表現する人もいるよ。
-合意できそうなの?
途上国側は「透明性の高い詳細な目標を作るには、資金や人材が足りない」として、先進国側に資金・技術面での支援を求めている。双方がどれだけ折り合いをつけるかによって、合意できる項目の数が変わってきそうだ。合意項目が少なければ、また「骨抜き」の協定になりかねない。
-米国は協定から離脱したのでは?
トランプ政権はパリ協定からの離脱を表明したが、既にオバマ政権時に批准しているので、20年までは正式に離脱できない。参加資格があるからCOP24にも代表団は参加しているし、たとえパリ協定から離脱しても枠組み条約にはとどまるので、21年以降も参加は可能だ。
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