図解
※記事などの内容は2018年11月27日掲載時のものです
外国人労働者の受け入れを拡大する出入国管理法改正案は27日夜の衆院本会議で自民、公明両党と日本維新の会などの賛成多数で可決、参院に送付された。立憲民主党など主要野党が反対する中、与党が採決を強行した。与党は参院で28日に審議に入り、12月10日までの今国会会期中に成立させる構えだが、参院でも対立が続きそうだ。
改正案は単純労働者の受け入れに道を開く歴史的な政策転換で、「事実上の移民解禁」との見方もある。安倍政権は深刻な人手不足を解消するため来年4月の制度導入を目指しており、今国会の最重要法案と位置付けている。
安倍晋三首相は27日、公明党の山口那津男代表と首相官邸で会談し、改正案の会期内成立を図る方針を確認した。
改正案の採決に先立ち、立憲など野党5党1会派は山下貴司法相の不信任決議案を共同提出。衆院本会議で与党などの反対多数で否決された。これを受け、衆院法務委員会は午前中に中断した改正案の審議を再開し、一部修正の上で可決。主要野党が葉梨康弘委員長(自民)を取り囲んで抗議し、委員会室は一時騒然となった。
主要野党の国対委員長は、大島理森衆院議長と国会内で会い、審議続行を要請した。大島議長は、改正案の制度設計の詳細が法務省令などに委ねられていることを踏まえ、「施行前に政省令を含む全体像を(政府から)国会に報告させたい」と提案。野党はこれを評価しつつ、27日の採決は認められないとの立場を伝えた。この後の衆院本会議の採決では、出席して反対票を投じた。
一方、参院議院運営委員会は理事会を開き、28日の本会議の議題について協議。与党が改正案の審議入りを提案したのに対し、野党側は受け入れず、引き続き協議することになった。
改正案は、新たな在留資格として「特定技能」の1号と2号を創設することが柱。受け入れ規模について政府は5年間で最大34万5150人と試算している。与党と維新は26日、法施行後の見直し時期を「3年後」から「2年後」に短縮するなどの修正で合意した。
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