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【図解・政治】出入国管理法改正案をめぐる衆院本会議の論戦ポイント(2018年11月)

出入国管理法改正案をめぐる衆院本会議の論戦ポイント

外国人就労、広がる懸念=野党一斉砲火、政府は不安解消に躍起

※記事などの内容は2018年11月13日掲載時のものです

 外国人労働者の受け入れを拡大する出入国管理法改正案をめぐる国会論戦が始まった。疑問点が多岐にわたり、懸念が広がる現状に、野党は一斉に追及の砲火を政府側に浴びせた。これに対し、来年4月の新制度導入を目指し、今国会成立を譲らない政府側は不安解消に躍起となった。

 ◇「ブラックボックス」

 13日の衆院本会議でまず焦点となったのは受け入れ規模。政府は2019年度に最大4万7000人、5年間で最大34万人との試算をまとめ、自民党関係者によると、この日の答弁で安倍晋三首相が公表する段取りだった。ところが、集計に手違いがあり延期に。「精査中」と述べるにとどめた首相に、衆院会派「無所属の会」の黒岩宇洋氏は「ブラックボックスの法案だ」と批判した。
 外国人の増加により治安や日本人雇用への悪影響を心配する声は根強い。首相が、近く示す想定数を受け入れの「上限」と明言したのは、歯止めをかけ不安を打ち消す狙いがある。ただ、山下貴司法相は先の衆院予算委員会で上限値の設定を否定しており、今後の審議で整合性が問われそうだ。

 ◇「移民解禁」なお疑問

 新在留資格の創設は「事実上の移民解禁」との見方は消えない。13日も立憲民主党の山尾志桜里氏が「移民政策」の定義を明確にするよう首相に要求。日本維新の会の串田誠一氏も長期在留が可能な特定技能2号を「実質移民だ」と指摘した。
 この論点をめぐり、首相は制度設計の段階から周囲に「移民政策と言われないように」と強く注意喚起してきた。背景にあるのは自身を支持する保守層への配慮。実際、13日も首相は「いわゆる移民政策は採らない」と従来の答弁を繰り返した。
 法案は、対象業種で人手不足が解消された場合、外国人の新規入国を一時的に停止する措置も設けた。首相は「既に在留する外国人材の資格を直ちに打ち切ることは考えていない」と理解を求めたが、共産党の藤野保史氏は「国が整理解雇にお墨付きを与えるものだ」と断じた。

 ◇技能実習にも批判

 労働環境が劣悪と指摘される外国人技能実習制度の在り方も争点だ。藤野氏は実習生が野党会合で「段ボール工場で仕事中に指3本を切断したが、治療費は自己負担を求められ、会社に帰国を迫られた」と証言したことに触れ、「現状の温存は絶対に許されない」と非難。国民民主党の階猛氏は同制度の廃止を主張した。
 首相は「制度の適正化を図っている」と述べ、継続させる考えを示した。ただ、新制度導入に当たり悪質仲介業者をどう排除するか課題は残る。 

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