図解
※記事などの内容は2016年12月16日掲載時のものです
日本とロシアは16日、安倍晋三首相とプーチン大統領の首脳会談を踏まえ、エネルギーや医療・保健、極東開発など8項目の経済・民生協力プランに基づき、官民で80件の合意文書を交わした。政府間で12件、民間レベルでは当初想定のほぼ倍の68件の広範な経済協力で合意した。日本側の投融資は3000億円規模。過去最大規模の対ロシア経済協力となる。政治主導で日本企業のロシア進出が加速する見通しだ。
安倍首相は記者会見で「今までの日ロ関係で前例のないことだ」と強調。プーチン大統領は極東地域での石油・天然ガス開発に触れ、「ガスと電力を非常にいい価格で日本に最短距離で届けられる」と語った。経済協力を先行させ、領土問題で譲歩を引き出す環境を整備するのが狙い。
エネルギー分野では、石油や天然ガスなどロシアの地下資源開発で両国が協力するほか、東京電力福島第1原発廃炉の技術協力など原子力平和利用が盛り込まれた。民間では、三井物産と三菱商事が参加するサハリン(樺太)沖の天然ガス・石油開発「サハリン2」の生産設備増強に加え、丸紅や国際石油開発帝石などがロシア国営石油会社とサハリン沖の炭化水素探査などで合意した。
欧米からの経済制裁で資金調達に苦しむロシアの意向を受け、三井住友銀行とみずほ銀行が国営天然ガス独占企業ガスプロムに融資するなど資金供給面でも協力する。
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