図解
※記事などの内容は2019年8月2日掲載時のものです
【モスクワ時事】ロシアのメドベージェフ首相は2日、北方領土の択捉島を訪問した。メドベージェフ氏は北方領土について「われわれの領土」と主張し、領土問題で譲歩しない姿勢を鮮明にした。日本政府の働き掛けを無視して政権ナンバー2のメドベージェフ氏が訪問を強行したことで、北方領土問題を含む日ロの平和条約締結交渉に悪影響を及ぼすのは必至だ。
メドベージェフ氏が北方領土を訪問するたびに日本政府が抗議していることに関し、同氏は択捉島で記者団に対し、「ここはわれわれの領土であり、ロシアに属する。何を心配する理由があろうか」と一蹴。「(日本側から)こうした憤慨があればあるほど、恐らくロシア政府関係者がここに来る理由となる」と挑発した。
メドベージェフ氏は水産加工場や温泉施設のほか、学校や住宅の建設状況を視察。ロシアの主権下で択捉島を開発する意志を強調し、実効支配を誇示した。訪問に先立ち、北方領土を事実上管轄するサハリン州で開かれた会議では、北方領土などでの事業に免税措置を導入する構想について「興味深い。ビジネス活性化の特別な手段が必要だ」と語った。
択捉島とは
北方領土最大の島。面積は3168平方キロで沖縄本島の約2.6倍。1945年に旧ソ連が占領し、ロシアの実効支配が続いている。人口は約6000人。近年はロシア軍が軍事拠点として重視し、軍備増強が進んでいる。火山島で温泉があるほか、周辺海域は水産資源が豊富な漁場として知られる。
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