図解

【図解・行政】尖閣諸島の接続水域と領海(2017年9月)

尖閣諸島の接続水域と領海

中国公船ほぼ毎日出現=「10年単位の長期戦」-東南ア支援で抑止効果も・海保

※記事などの内容は2017年9月9日掲載時のものです

 政府が沖縄県・尖閣諸島を国有化してから11日で5年。中国の公船は荒天の日以外ほぼ毎日、周辺海域に出現している。海上保安庁は態勢を大幅に拡充し、領土・領海を警備しているが、中国が自重する気配はない。海保は一方で、南シナ海の領有権をめぐって中国と対立するフィリピンやベトナムなどアジア各国の支援を強化。「国際法に基づく平和な海」の実現に向け、硬軟織り交ぜた活動を息長く続けている。
 海保によると、尖閣諸島周辺の接続水域を航行する中国公船は国有化後に激増した。多い月は29日間に上り、「しけていなければ毎日3、4隻」(幹部)の状態が続く。領海への侵入は月に2~8日あり、先月末までに累計199日、延べ643隻を数える。
 海保は毎回、領海に侵入しないよう警告したり侵入時には退去させたりしている。管轄する第11管区海上保安本部(那覇市)に配備する大型巡視船は5年間で7隻から19隻に増加。保安官も約1800人に倍増させた。
 昨年8月に過去最大の15隻が現れたときなどは、他管区から応援が加わることも。常に中国公船を上回る態勢を取っているが、政府関係者は「10年単位の長期戦も覚悟している」と話す。
 一方、アジア各国への支援は操船、海上管制、取り締まり、救助、測量の指導から立法まで多岐にわたる。1969年以降ニーズに応じて、保安官の長期派遣や日本に招いての研修を重ねている。
 海賊対策の共同訓練は今年8月までにインドネシア、シンガポールなど11カ国と延べ99回行った。1月には、マレーシアに、要請を受けて大型巡視船2隻を供与。秋には支援の専従チームを7人態勢で発足させる。
 支援は間接的に中国をけん制する効果も帯びる。海洋権益をめぐり中国が南シナ海で沿岸国と対立する近年は、各国の能力向上が、力による現状変更の抑止につながるためだ。別の政府関係者は「同じ価値観を持つ国、日本ファンを増やす意図もある」と明かす。ただ中国海警局は昨年以降、フィリピン、ベトナムなどと相次いで関係強化に動いており、取り込み合戦の様相も見せている。
 海保も中国側と協議する場を複数持っている。日本が主導して始めた主要6カ国の海上保安機関トップの会議(2000年~)とアジア地域の同会議(04年~)もそれだ。今月14日には、対象を全世界に広げた同会議を東京で初めて開き、38の国・地域・機関が出席する予定。中島敏長官は「新しい対話と協力の場としたい」と話している。 

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