図解
※記事などの内容は2017年7月28日掲載時のものです
防衛省は28日、南スーダン国連平和維持活動(PKO)派遣部隊の日報を陸上自衛隊が廃棄したと説明しながら保管していた問題で、防衛監察本部による特別防衛監察の結果を公表した。日報を非公表とする判断に稲田朋美防衛相が関与していたかが焦点だったが、報告書は「公表の是非に関する何らかの方針の決定や了承がなされた事実はない」とし、稲田氏の関与を認定しなかった。
監察結果を受け、防衛省は黒江哲郎事務次官を停職4日、岡部俊哉陸上幕僚長を減給1カ月の10分の1などとする関係者の処分を発表。全ての日報は今後、10年間保存するなどとした再発防止策を通達した。一連の監督責任を取り、稲田氏は給与月額と議員歳費月額の差額1カ月分(約46万円)を国庫に自主返納する。
黒江、岡部両氏は監察結果と処分が出たことを踏まえ、辞任する。
報告書は、稲田氏が2月13日に陸自幹部らから、同15日に黒江、岡部両氏らからそれぞれ日報問題について説明を受けた際、「陸自における日報データの存在について何らかの発言があった可能性は否定できない」と記した。ただ、日報データの存在が書面で報告されたり、非公表の了承を求める報告が行われたりした事実はなかったとした。
防衛監察本部によると、監察の過程で、陸自は稲田氏に日報の保管を報告したと複数が主張したものの、稲田氏を含む数人がこれを否定し、証言が一致しなかったという。
報告書は、昨年7月と10月の日報に関する情報公開請求をいずれも不開示とする一方、12月に当時の陸上幕僚監部運用支援・情報部長が廃棄するよう示唆したと認定。今年1月中旬に陸自内に日報のデータが残っていたことが判明したが、黒江氏が「防衛相に報告する必要はない」と判断したと結論付けた。
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