図解
※記事などの内容は2020年4月7日掲載時のものです
政府は7日の臨時閣議で、新型コロナウイルスの感染拡大を受けた緊急経済対策を決定した。収入が大幅に減少した世帯に30万円、売り上げが急減した中堅・中小企業に最大200万円、フリーランスなど個人事業主に最大100万円の現金を給付することが柱。財政支出は39.5兆円、民間支出も含めた事業規模は国内総生産(GDP)の2割に当たる108.2兆円といずれも過去最大の経済対策を実施し、国内経済の落ち込みを最小限に抑えたい考え。
安倍晋三首相は同日の記者会見で、「世界経済だけでなく日本経済が今まさに戦後最大の危機に直面している」と指摘。その上で「強い危機感の下に雇用と生活は断じて守り抜いていく」と強調した。
対策は生活支援と経済回復の2段構えで、5月に総額6.3兆円の現金給付を始める。26兆円程度の税金や社会保険料の支払い猶予、45兆円規模に上る企業の資金繰り支援などと合わせ、コロナ問題で打撃を受けた家庭や企業を支える。
108.2兆円の事業規模には、昨年末に決定した経済対策の未執行分や、2、3月に予備費などを用いて策定した緊急対応策が含まれる。リーマン・ショック後の2009年4月に策定した経済対策の事業規模(56.8兆円)を大きく上回る。住宅ローン減税の要件緩和をはじめ税制支援策も盛り込んだ。
政府は20年度補正予算案も決定。経済対策の関連経費として一般会計で16兆7058億円を盛り込む。一般会計の総額は対策以外の経費を合わせ16兆8057億円となる。財源は国債の追加発行で賄い、このうち14兆4767億円は赤字国債で補う。補正後の歳入に占める借金の割合(公債依存度)は41.3%となり、当初予算の31.7%から大きく上昇した。
関連経費のうち、収入減少世帯への現金給付に4兆206億円、中小企業や個人事業主への現金給付に2兆3176億円、児童手当の1万円上乗せに1654億円をそれぞれ計上。給付用の予算が全体の約4割を占める。
また、政府が20年度中に使用できる新型コロナ対策に特化した予備費として、1兆5000億円を計上した。
コロナ治療薬として期待される抗インフルエンザ薬「アビガン」の増産支援に139億円を投じ、200万人分の備蓄を確保できるようにする。人工呼吸器やマスクなどの生産支援にも117億円を充てた。
一方、コロナ禍が過ぎ去った後、飲食や観光、各種イベントの消費を喚起するクーポン券の発行などで1兆8482億円を計上した。
●緊急事態宣言の仕組み
●緊急事態宣言対象地域と特定警戒都道府県
●一律10万円給付の流れ
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