図解
※記事などの内容は2020年2月17日掲載時のものです
衆院予算委員会は17日も、「桜を見る会」の前夜祭をめぐる問題で、安倍晋三首相と主要野党が攻防を繰り広げた。野党側は会場となったホテルから得た回答に基づき、首相のこれまでの国会答弁の「矛盾」を追及。首相は時折語気を強めて反論した。
「国会で真実と異なる答弁を幾度となく繰り返した」。立憲民主党の辻元清美幹事長代行は午前の審議で、首相をこう指弾した。
「ANAインターコンチネンタルホテル東京」では2013、14、16年の計3回、首相の後援会主催で前夜祭が開かれた。辻元氏らの問い合わせに、ホテル側は(1)主催者に見積書や明細書を発行する(2)領収書を宛名が空欄のまま発行しない(3)代金は主催者がまとめて支払う―などと回答した。
首相はこれまで、前夜祭はホテルと参加者の契約であり、安倍事務所は仲介しただけだと主張。明細書は受け取っておらず、参加者には宛名が空欄の領収書を渡したと答弁していた。
辻元氏は、首相の答弁とホテル側の回答との食い違いを指摘。政治資金収支報告書への不記載に当たる可能性があり、「政治資金規正法違反の疑いが濃厚だ」と詰め寄った。
これに対し、首相はホテル側に「確かめる」といったん引き取り、午後に野党共同会派の小川淳也氏への答弁で説明した。
首相は、ホテル側の回答はあくまで「一般論」であり、前夜祭に関する説明ではないと反論。領収書の宛名については「上様としていた可能性がある」と微修正したものの、明細書の発行は受けていないと改めて明言した。会費も「参加者がホテルに支払った」と従来の答弁を繰り返した。
小川氏は納得せず、ホテル側から書面で回答を得るよう求めたが、首相は「私がうそをついていると言うならば、うそだと説明するのはそちら側だ」と突っぱねた。
野党側は「あまりにも不誠実で、これ以上質問できない」と反発し、予算委を一時退席。審議は30分以上中断した。
かみ合わぬ議論に、自民党は「桜以外にやるべきことはたくさんある」(閣僚経験者)と野党側を批判。一方、立憲の福山哲郎幹事長は記者団に「苦しい答弁だ。国会で話してきたものと全く違う」と述べ、なお追及を続ける構えを示した。
新着
会員限定