【図解・政治】通常国会の主な論点（2020年1月）

※記事などの内容は2020年1月20日掲載時のものです

　第２０１通常国会が２０日召集された。政府・与党は政権の総仕上げを視野に入れ、安倍晋三首相が内政の最大の課題に挙げた「全世代型社会保障」構築に取り組む。主要野党はカジノを含む統合型リゾート（ＩＲ）事業に絡んだ汚職事件などを取り上げて追及する構え。年内の衆院解散・総選挙の可能性を念頭に置きながら攻防を繰り広げる見通しだ。
　会期は６月１７日までの１５０日間。与党は大型経済対策を盛り込んだ２０１９年度補正予算案と２０年度予算案を着実に成立させ、社会保障制度改革関連法案の処理を急ぐ。首相の自民党総裁任期は来年９月で切れる。同党は首相が目指す憲法改正論議の進展にも全力を注ぐ。　
　首相は自民党両院議員総会で「予算の早期成立こそが最大の景気対策だ。全力を尽くしたい」と強調し、社保改革や改憲に向けた協力も求めた。公明党の山口那津男代表は党会合で「国会のスタートは波乱含みだ。謙虚に丁寧な国会運営を目指したい」と語った。 　これに対し、立憲民主党の枝野幸男代表は党会合で「長年積み重ねられてきた矛盾が噴き出している。希望ある選択肢を示していく」と述べ、政権との対決姿勢を表明。「この国会の途中に解散になるかもしれない」と述べた。
　野党は首相主催「桜を見る会」の問題や海上自衛隊の中東派遣、地元事務所が広島地検の家宅捜索を受けた自民党の河井克行前法相と妻の案里参院議員らの「政治とカネ」をめぐる問題でも攻勢を掛ける方針だ。共闘態勢の構築が焦点となる。
　２０日は午後１時から天皇陛下をお迎えして開会式を開催。この後、衆参両院の本会議で首相の施政方針演説など政府４演説を行う。与党はこれに対する各党代表質問を２２日から３日間の日程で実施したい考え。