図解
※記事などの内容は2019年11月22日掲載時のものです
自民党の二階俊博幹事長が、各派閥の領袖(りょうしゅう)らとの会食を重ねている。党内の結束固めを名目に掲げるが、将来の「ポスト安倍」政局をにらみ、有力候補を抱える各派の動向を探る狙いが透ける。
二階氏は22日夜、石原派(11人)の石原伸晃元経済再生相と東京・赤坂の日本料理店で会食。同日で各派との会合を一巡させた。
9月の内閣改造・党役員人事で幹事長続投が決まった直後から、二階氏は各派への接触を続けている。岸田派(47人)の岸田文雄政調会長を振り出しに、麻生派(53人)の麻生太郎副総理兼財務相、細田派(97人)の細田博之元官房長官、竹下派(54人)の茂木敏充外相らと、矢継ぎ早に食事を共にした。
一連の会合について、二階氏は「各派の意見を伺うことが大事だ」と指摘。党内融和を図るためと目的を説明するが、額面通りに受け取る向きは少ない。
背景には、二階氏が率いる二階派(47人)には、安倍晋三首相の後継をうかがう有力候補が不在との事情がある。党関係者は「自身の求心力を維持するためにどう動くべきかを探っている」と二階氏の真意を推し量る。
実際、二階氏は岸田氏との会合で「(宰相の座に)駆け上がってください」と激励。その一方で、首相と距離を置く石破派(19人)の石破茂元幹事長や、無派閥の野田聖子元総務相とも会うなど、党内の全方位に目配りを欠かさない。
その一方で、二階氏は首相の党総裁4選にも繰り返し言及。「安倍氏の後は安倍氏」とまで踏み込んでいる。「ポスト安倍」の品定めをするかのような言動に、政権内からは「勝ち馬にしか乗らない」(首相周辺)との皮肉も漏れる。
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