図解
※記事などの内容は2019年7月25日掲載時のものです
参院議院運営委員会は25日の理事会で、参院選でれいわ新選組の重度障害の2氏が当選したことを受け、国会のバリアフリー化を行うことを確認した。施設を改修するほか、本会議場での介助者による代理投票、意思疎通のためのパソコン使用を許可。参院規則などを大幅に緩和する。
今回当選した舩後靖彦氏は筋萎縮性側索硬化症(ALS)患者で、木村英子氏は重度障害者。共に手足を自由に動かすことは難しく、移動にはベッド型の車いすを利用する。通常の車いすに比べて大型で、本会議場の従来の席には着けない。
このため、国会議員が初登院する際などに使われる国会の中央玄関にスロープを設置し、すり鉢状の本会議場の席についても段差のない最後列の席を充てることを確認した。
本会議場へは参院職員を除き議員しか入れないことになっているが、介助者の帯同を認める。起立採決では介助者が代わりに挙手し、押しボタン式では代理投票する。議員が登壇する記名投票の場合は、介助者が職員に賛否いずれかの札を手渡す。首相の指名は代筆する。
舩後氏は声が出ない。意思疎通に使うパソコンなどこれまで持ち込みが禁じられていた機器も、議員活動と医療に必要なら許可する。医療機器や電動車いすのための電源も設置。服装についても、参院規則が禁じる帽子や外とう、襟巻きを容認し、上着やネクタイの着用も求めない。
議員宿舎も優先的に割り当て、介助者の夜間を含めた滞在を認める。
いずれも規則などの改正ではなく、末松信介議運委員長(自民)への届け出などで対応する。末松氏は理事会後、記者団に「100%円滑に活動できるよう努力する」と語った。
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