図解
※記事などの内容は2018年5月10日掲載時のものです
元首相秘書官の柳瀬唯夫経済産業審議官は10日、参院予算委員会に参考人として出席し、学校法人「加計学園」関係者との2015年4月2日の面会前、国家戦略特区を担当する藤原豊内閣府地方創生推進室次長(当時)に、獣医学部新設を解禁する規制緩和の検討状況を照会していたと明らかにした。加計学園の計画を伝えたかどうかは「覚えていない」と確認を避けた。野党は藤原氏や学園の加計孝太郎理事長の証人喚問を要求した。
柳瀬氏は同年2~3月に学園関係者と首相官邸で初めて面会した際、獣医学部新設に当たり、国家戦略特区の活用に言及したことも明かした。4月2日の面会に関しては、愛媛県の文書に柳瀬氏が「国家戦略特区の方が勢いがある」と述べたとの記載がある。柳瀬氏は「安倍政権の成長の柱として(制度を)スタートした直後なので、会う人会う人に『こういうのができたんですよ』と宣伝していた」と語った。
学園関係者との面会をめぐり、安倍晋三首相には報告しなかったものの、昨年7月、今井尚哉首相秘書官(政務)に対し、今治市職員との面会について「記憶はない」と伝える一方、学園関係者らとの面会については「記憶はある」と説明した。
同月の閉会中審査で学園関係者との面会を明かさなかった理由について、柳瀬氏は「今治市の職員の方と会ったのかという質問を何度も受けた」と述べ、直接聞かれなかったためと釈明した。
柳瀬氏は委員会の冒頭、国会の混乱を招いたことを謝罪した。午前中の衆院予算委で4月2日と説明した吉川泰弘獣医学部長との面会時期については「4月2日か、その前の2~3月だったのかは必ずしもクリアではない」と修正した。
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