図解
※記事などの内容は2017年10月28日掲載時のものです
衆院選を経た自民党7派閥の勢力は、解散前と比べ減少か横ばいだった。岸田派と石破派はそれぞれ前職全員が当選し、「ポスト安倍」をうかがう領袖(りょうしゅう)の岸田文雄政調会長、石破茂元幹事長は体面を保った。一方、二階俊博幹事長率いる二階派は最多の7人が落選し、新人らの勧誘で失地回復を図っている。各派は来年秋の総裁選をにらみ、勢力拡張に懸命だ。
前職28人が全勝した岸田派は、2人が引退し、新人が1人入会したため、1減の45人となった。特に同派が成果を強調するのは、保守分裂選挙となった山梨2区で総力支援した堀内詔子氏が二階派の長崎幸太郎氏を破ったことだ。岸田派中堅は「ここで負けていたら岸田氏の求心力に響いた」と指摘する。
岸田、二階両派は新人争奪でも火花を散らす。岸田派の丹羽雄哉氏が引退した茨城6区では、後継者として元厚生労働省医官の国光文乃氏が初当選したが、二階派は強力に勧誘している。
石破派は18人の前職全員が当選。ただ、新人加入の見通しは立っておらず、参院議員を含む勢力は解散前と同じ20人のまま。石破氏を除けば、依然として総裁選出馬に必要な推薦人20人を自前で確保できない。石破氏は「もっと他派閥の人との時間を取る」と、酒席を設けるなどして支持拡大に努める考えだ。
二階派では、解散後に入会した長崎氏とは別に、西川公也元農林水産相ら前職7人が落選。中曽根康弘元首相の孫の康隆氏(比例北関東)ら6人を新たに招き入れ、勢力を1減の44人とした。二階氏は「安倍晋三首相の後は安倍首相」と総裁3選支持を打ち出し、影響力強化を狙う。
首相の出身派閥で最大勢力を誇る細田派は3減の91人、麻生派は横ばいの58人、額賀派は5減の50人、石原派は2減の12人となった。
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