図解
※記事などの内容は2017年5月15日掲載時のものです
民進党執行部は、安倍晋三首相が提起した憲法9条改正について、党内論議のテーマとして当面扱わない方針だ。改憲に前のめりな首相ペースで論議が進むことを警戒、「9条改悪」に反対する共産党などとの野党共闘を継続する。ただ、党内には首相提案への賛否が混在しており、結束を保つのは容易でない。
民進党の野田佳彦幹事長は15日の記者会見で、党の改憲案に関し、「早急にまとめる必然性はない」と明言した。首相が提唱した自衛隊「加憲」についても、「真に受けて、ばたばたしない方がいい」と取り合わない考えを強調した。
自衛官の父親を持つ保守派の野田氏は、2009年の著書で「実行部隊としての自衛隊をきっちりと憲法の中で位置付けなくてはいけない」と訴えた。今、こうした持論を「封印」するのは、党幹事長として、9条改正に反対する共産党や社民党との共闘路線を推し進めているためだ。
民進党が共産党などと4月に発表した政策合意では「平和主義を破壊する9条の改悪阻止」を掲げた。次期衆院選で安倍政権を打倒するには野党勢力の結集が不可欠と判断する民進党執行部は、「9条堅持」で党内の結束を図る。
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