図解
※記事などの内容は2017年8月27日掲載時のものです
大阪市の在り方をめぐる議論が再び本格化する。市を廃止する「大阪都構想」か、市を残す「総合区案」か-。29日には大阪府・市による法定協議会(法定協)が開かれ、2案を比較する作業が始まる。大阪の再生に向けた大都市制度改革について、議論がどう展開していくのか注目される。
都構想は、橋下徹前大阪市長が掲げた看板政策だった。しかし、2015年の住民投票で否決され、今回は再挑戦。市はこれまでに、市をなくし、現在の24区を特別区に再編する区割り案をまとめた。人口30万~80万人規模の4区と6区に集約する4通りを策定。9月下旬には府と特別区の事務分担も含む制度の素案を固める。
総合区案は既に制度素案がまとめられている。24区を人口約30万人の8総合区に再編、私立保育所の認可など住民に身近な業務を市から移し、権限を強化する内容だ。
今後の法定協では、都構想の特別区案と総合区案を比較検討し、制度の最終案を決定する。ただ、市長や大阪府知事、府・市両議会議員の計20人の法定協メンバーは一枚岩ではない。自民党は都構想に反対で、議論の入り口で立ち往生する可能性がある。都構想実現を目指す地域政党「大阪維新の会」の一部も、特別区区割り案は「人口バランスがいびつだ」と反発の声を上げる。
松井一郎知事は18年夏までに法定協での議論をまとめ、同年秋に都構想の是非を問う住民投票の実施を目指している。松井氏は、都構想が否決された場合、総合区に移行すると明言しており、いずれの道を選択しても大阪市の姿が大きく変わることになる。
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