図解
※記事などの内容は2018年9月13日掲載時のものです
東京都は13日、豊洲市場(江東区)が来月11日に開場するのに先立ち、小池百合子知事らが出席して場内で記念式典を開催する。新たな市場では最新鋭の設備を導入し、水産物を取り扱う日本最大の中央卸売市場として再出発する。一方、築地市場(中央区)は豊洲に移転後解体され、約83年の歴史に幕を閉じる。
新市場は敷地面積が40万平方メートルで、築地の1.7倍。壁で囲われていない築地は、老朽化に加え、衛生面での課題も多かったが、新市場は外気を遮断した構造で、冷凍冷蔵の温度管理を徹底する。物流機能も強化し、5年後には、水産物取扱量を現行の1.6倍(約62万トン)に増やす目標を掲げる。
一方で、豊洲の地元自治体などは、建物地下部分の土壌汚染対策後も風評被害が払拭(ふっしょく)されていないことや、市場周辺の交通渋滞などに懸念を示す。新市場に併設する観光拠点の開業は2023年春の見通しで、江東区などが求める「にぎわいの創出」にもなお課題が残る。
都は当面、車両による飲食物の移動販売や、仮設の飲食店舗の設置を急ぐ方針だが、築地場外市場のような観光名所にできるかどうかは不透明だ。
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