図解
※記事などの内容は2017年6月13日掲載時のものです
東京都の築地市場(中央区)から豊洲市場(江東区)への移転問題で都は13日、豊洲に移転した上で築地市場の敷地を売却せず活用する案を軸に検討に入った。豊洲市場は地下水から有害物質が検出されたが、都は「地上部は安全」との立場を取っており、業界団体から早期移転を求める声も上がっていた。近く都の幹部による「市場のあり方戦略本部」を開いて課題を整理する。
都の市場問題プロジェクトチーム(PT、小島敏郎座長)は同日、小池百合子知事に豊洲移転案と築地改修案を併記した第1次報告書を提出した。報告書は、豊洲と築地の両方を活用する事実上の併存案にも言及。PTの報告書と、専門家会議が11日にまとめた豊洲の新たな土壌汚染対策は、小池知事が移転の可否を決める判断材料となる。都議選(23日告示、7月2日投開票)を前に、知事が週内にも判断を示す可能性がある。
PTの報告書を受け取った小池氏は「築地のブランドは大切にしていきたい」と語った。報告書によると、豊洲案は、開場後に年間100億~150億円の赤字が発生すると指摘。一方、築地案は、工期が最長15年、事業費は最大1388億円と試算した。
これまでは移転の場合、築地市場の売却益を豊洲整備のために発行した地方債の返済などに充てる予定だった。小島座長は、報告書の提出後「市場の跡地を売らないといけないわけではない。土地は売らずに活用するという議論になった」と述べた。
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