図解
※記事などの内容は2017年10月29日掲載時のものです
2020年東京五輪・パラリンピック競技会場が設けられる東京都臨海部の「中央防波堤埋立地」の帰属を江東区と大田区が争っている問題で、大田区議会は29日、臨時会を開き、都の調停案の受け入れを拒否し、境界確定の訴訟を起こすことを全会一致で決めた。これを受け記者会見した松原忠義区長は「司法の場で公正公平かつ合理的な解決を目指す」と述べた。
埋め立て地をめぐっては、両区が帰属を主張し40年以上結論が出ていない。五輪までに結論を出そうと協議を本格化させたが、合意に至らず、都に調停を申請。都は16日、江東区に86.2%、大田区に13.8%を帰属させる調停案を示した。
調停成立には両区議会の同意が必要で、江東区は25日に受け入れを決定。しかし、大田区は受け入れを拒み、江東区を相手に境界確定を求め東京地裁に提訴することになった。都によると、都内の自治体が帰属を争う訴訟を起こすのは初めて。
松原区長は提訴の理由に関し、区民がノリ養殖を営んでいた歴史的経緯が調停案に反映されていない点などを指摘。「帰属問題は未来永劫(えいごう)続く。この際しっかりと検討し判断していきたい」と述べ、早期解決の難しさを強調した。
一方、江東区の山崎孝明区長は29日、大田区の対応について「調停申請を行う以上、両区とも結果を受け入れると固く約束してきた。早期解決という大義を投げ捨て、このような決断に至ったことは極めて遺憾だ」とのコメントを出した。
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