図解
※記事などの内容は2020年6月6日掲載時のものです
職場でのパワーハラスメント防止が6月から大企業に義務付けられたのに合わせ、国家公務員のパワハラ対策も本格化した。新たな人事院規則が1日に施行され、各省庁には相談体制の整備が義務付けられた。「カスタマーハラスメント」と呼ばれる悪質なクレームへの対応方法も初めて示された。同様の動きは地方公務員にも広まる見通しだ。
新たな規則では、相談体制の整備とともに、相談を申し出た職員らが不利益を被らないよう求めた。人事院は懲戒処分の指針も改正。パワハラで相手を精神疾患に追い込む極めて悪質な事例には、免職を含む厳しい処分を科すと定めた。
カスハラについては、民間企業だけでなく公務員の職場でも問題化している。行政サービスを利用する一般人の言動も職員へのカスハラの対象になるとし、対応が必要との見解を示した。
日本国家公務員労働組合連合会によると、カスハラはハローワークなどの窓口相談で、利用者の思い通りにならなかったり、待ち時間が長かったりすることで発生。具体的には、利用者から▽威圧的に理不尽なことを言われる▽暴力を振るわれる▽土下座を要求される―といった被害を受けているという。
新たな規則では、こうした事態を念頭に対応方法を紹介した。具体的には、行政サービスの利用者が現場の窓口などで度を越す要求を行い、応対した職員から相談があった場合は、上司が同席するなど組織として対応するよう求めた。
こうしたカスハラは、住民との距離がより近い都道府県や市町村の窓口でも起こり得る。このため総務省は、国の動きを踏まえた対応を促す通知を各自治体に発出。職員から相談があった場合、課長や室長ら管理職も加わり、職員を一人きりにしない対応の検討を求めた。
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