図解
※記事などの内容は2019年7月22日掲載時のものです
第25回参院選は21日投開票された。全選挙区の議席が確定し、自民、公明両党は改選124議席の過半数63を確保した。ただ、自公と憲法改正に前向きな日本維新の会の「改憲勢力」で、改憲発議に必要な参院の3分の2(164)維持に必要な85議席を割り込んだ。全国で32ある改選数1の「1人区」は自民の22勝10敗で、3年前の21勝をわずかに上回った。
安倍晋三首相(自民党総裁)は21日夜のテレビ朝日の番組で、改憲について「議論していけという国民の声を頂いた。国会で議論が進んでいくことを期待したい」と述べ、早期の改憲発議を目指す考えを表明。「国民民主党の中にも議論を進めていくべきだ、という方はたくさんいると思う」と指摘した。
改憲勢力の非改選議席は自民56、公明14、維新6、無所属3の計79。改憲勢力で3分の2を割るため、首相は国民民主の一部などの協力も得て、早期の改憲発議にこぎ着けたい意向だ。
自民は改選66議席に届かなかったものの、選挙区38、比例代表18の計56議席と3年前の実績に並んだ。公明は7選挙区に擁立した候補者全員が勝利し、比例と合わせ13議席の目標を達成した。
全体の勝敗を左右する1人区では立憲民主、国民、共産、社民の4野党が全32選挙区に統一候補を擁立して自民に対抗。自民は北陸・中国・九州地方を中心に議席を積み上げた。野党は山形、新潟、愛媛、大分など10選挙区で勝利した。
立憲は北海道、千葉、東京、神奈川など八つの複数区で議席を獲得、1人区の宮城も制した。比例でも8議席を確保し、改選9議席の2倍に迫った。国民は激戦だった静岡や長野、愛知で議席を維持したが、比例は3議席にとどまっている。
共産は埼玉、東京、京都で議席を獲得。維新は初めて東京、神奈川で勝利し、地盤の大阪以外に足掛かりを得た。比例と合わせ、改選7議席を上回った。社民は比例で1議席を死守し、吉田忠智前党首の国政復帰が確実になった。政党要件を満たす得票率2%に期待をかける。
一方、山本太郎氏が率いる政治団体「れいわ新選組」は比例で2議席を獲得。得票率2%を超えるのは確実だ。既存野党に不満を持つ無党派層の一定の受け皿となった形だ。
参院選は自公両党の政権復帰後3回目。6年半にわたる安倍政権への評価や、10月の消費税率10%への引き上げの是非、年金制度、改憲などについて17日間の論戦が展開された。
選挙区215人、比例155人の計370人が立候補し、選挙区74議席、比例50議席を争った。公職選挙法改正により、今回の改選数は選挙区で1、比例で2増え、選挙後の定数は245議席。
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