図解
※記事などの内容は2020年7月8日掲載時のものです
昨夏参院選をめぐる大型買収事件で、地元首長らに多額の現金を提供して票の取りまとめを依頼したなどとして、東京地検特捜部は8日、公選法違反(買収)罪で、衆院議員の前法相、河井克行容疑者(57)=自民離党=を起訴する。妻で参院議員、案里容疑者(46)=同=も一部で共謀したとして起訴する。
特捜部は逮捕容疑となった県議ら94人への約2570万円のほかにも現金を提供したと認定し、買収額を積み増す。
特捜部は克行容疑者について、選挙運動を取り仕切り、候補者本人が買収した場合と同様に法定刑が重くなる「総括主宰者」に該当すると判断。公選法の規定により、両容疑者の公判は、迅速な判決を目指す「百日裁判」で審理される見通し。
総括主宰者の罰金刑以上が確定し、検察側が起こす訴訟で連座制適用が認められると、候補者は当選無効となる。検察当局は案里容疑者の公設秘書(54)=同罪で一審執行猶予付き懲役刑、控訴=についても連座制対象と判断しており、秘書の判決か克行容疑者の有罪が確定し、連座制適用が認められれば、案里容疑者は無罪でも失職する。
検察当局は買収された県議らについては、受領を認めて謝罪したことなどを考慮。大半の刑事処分を見送るとみられる。
克行容疑者は2019年7月の参院選で地元首長や県議ら94人に総額約2570万円を提供して買収した疑いで逮捕された。案里容疑者は、このうち5人に対する計170万円について共謀した疑いが持たれている。関係者によると、克行容疑者は現金配布を認めつつ、「地盤固めの政治活動だ」などと買収目的を否定。案里容疑者も容疑を否認している。
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