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【図解・国際】台湾総統選・両候補のプロフィル(2019年12月)

台湾総統選・両候補のプロフィル

蔡氏リード、韓氏は苦戦=香港・米中摩擦で「漁夫の利」―台湾総統選まで1カ月余

※記事などの内容は2019年12月6日掲載時のものです

 【台北時事】来年1月11日の台湾総統選まで1カ月余に迫った。現段階では、再選を目指す与党・民進党の蔡英文総統が、最大野党・国民党の韓国瑜・高雄市長と、野党・親民党の宋楚瑜主席(党首)を大きくリードしている。
 「中国」にどう向き合うかが総統選の争点だが、中国に強い姿勢で臨む蔡氏は混乱が続く香港情勢や、米中貿易摩擦で「漁夫の利」(台湾メディア)を得ている。香港問題で中国への警戒感を高める台湾の有権者から改めて評価されるとともに、米中摩擦で中国から台湾に生産拠点を移す企業が増え、台湾経済を支えていることも、蔡氏支持を後押ししている。
 総統選は実質的には蔡、韓両氏の一騎打ちの構図。蔡氏は若年層を中心に支持を集める一方、韓氏は伸び悩んでおり、てこ入れを急いでいる。大手民放のTVBSが11月27~29日に実施した最新世論調査によると、蔡氏の支持率は46%と、韓氏の31%を15ポイントもリードした。その2週間前の前回調査では両氏の差は8ポイントだったが、ほぼ2倍に広がった。
 蔡氏は選挙戦で、2016年の政権発足以来、重点政策として進めてきた公務員の年金制度改革や脱原発、同性婚実現といった成果を強調。特に今年5月に関連法が成立した同性婚は、若年層の支持を固める原動力となった。大学生ら若者を集めた今月4日のフォーラムで、蔡氏は「1期目に着手した政策を深化させるため、もう4年の任期を私に下さい」と訴えた。
 一方の韓氏は「民進党を政権から引きずり下ろす」と主張し、夏頃までは支持率で蔡氏を上回っていたが、その後、勢いを完全に失った。
 今年3月には訪問先の香港で、中国政府の出先機関トップと会談したことなどから「親中派」のレッテルが定着。エリート政治家とは一線を画す「庶民派」イメージを前面に押し出したが、日本円で億単位の高級マンションを妻が売買していたことが明るみに出て、有権者の反感を買い、支持率はじり貧となった。
 宋氏は、韓氏を快く思わない国民党支持者や、無党派層の受け皿を狙っているが、若年層の間では知名度が低く、苦戦している。

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