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【図解・国際】シリアをめぐる各国の相関図

シリアをめぐる各国の相関図

米ロ、軍事衝突を回避=関係悪化は必至

※記事などの内容は2018年4月15日掲載時のものです

 【ワシントン、モスクワ時事】米国が英仏両国と合同でシリアのアサド政権に対する軍事攻撃に踏み切ったことで、同政権の後ろ盾ロシアとのさらなる関係悪化は必至だ。トランプ米大統領が繰り返し主張してきた「シリア内戦での米ロ協力」も困難になった。ただ、米ロとも軍事面でのエスカレートは避けたい思惑が透けて見える。
 トランプ氏は、シリアに自国軍を駐留させるロシアから報復攻撃を受け、シリア内戦の泥沼に引き込まれることを警戒し、「抑制した軍事作戦」(米紙ニューヨーク・タイムズ)を選んだ。ハンツマン駐ロ米大使は14日の声明で「米国は(シリア駐在の)ロシア人への危険を減らすため、攻撃前にロシア政府と連絡を取った」と指摘し、ロシア軍との衝突回避に腐心したことを明かした。
 ロシアも米国との軍事衝突は避けたいのが本音だ。ロシア軍のゲラシモフ参謀総長は3月、「ロシア軍人の生命が脅かされた場合、報復措置を取る」と警告していたが、実際には反撃しなかった。ロシア軍高官は14日、「巡航ミサイルは(シリア領内の)ロシアの防空圏には入ってきておらず、ロシアの防空システムは使用されなかった」と主張した。
 ロシアの外交当局者からは米ロの対話の糸口を探る発言も出ている。リャプコフ外務次官はコメルサント紙に対し、シリア攻撃は国際法違反と批判しつつも「ロシアは(米国との)協力に関心がある」と説明。ダマスカス近郊での化学兵器使用疑惑の解明に向け、化学兵器禁止機関(OPCW)の調査を支援することが当面の課題と訴えた。
 だが、米国はOPCWの調査結果が出るのを待たずに、アサド政権による化学兵器使用を断定して攻撃に踏み切った。ロシアとの認識の隔たりは大きく、シリア和平に向けて米ロが協調する可能性もほとんどないのが実情だ。

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