図解

【図解・国際】中東和平案によるパレスチナ国家の範囲(2020年1月)

中東和平案によるパレスチナ国家の範囲

米大統領が中東和平案公表=入植地容認、エルサレム不可分―交渉再開は困難

※記事などの内容は2020年1月29日掲載時のものです

 【ワシントン時事】トランプ米大統領は28日、ホワイトハウスで、テロ行為の中止や非武装などの条件付きでパレスチナ国家樹立を認める中東和平案を発表した。エルサレムの帰属やヨルダン川西岸のユダヤ人入植地の扱いなどでイスラエル寄りの内容で、パレスチナ側は受け入れを拒否。トランプ氏は「ウィンウィンの機会を提供する」と強調したが、中断する和平交渉再開につなげるのは困難だ。
 帰属を争うエルサレムについて、トランプ氏は「イスラエルの不可分の首都」と言明した。一方でパレスチナ国家の首都は東エルサレムの主要部分ではなく、その周辺部とした。イスラエル建国などで発生したパレスチナ難民がイスラエル領内の故郷に帰還する権利についても認めなかった。
 入植問題では、将来のパレスチナ国家となる領域でイスラエルによる入植活動を4年間凍結することを提案。しかし、国際法で違法とされる既存の入植地のイスラエルへの併合は容認し、国際的に支持されている1967年の第3次中東戦争前の境界に基づく国境画定からは大きく後退した。 
 パレスチナ国家の一部はイスラエル領から組み込まれ、国土は現在のパレスチナ自治区の2倍以上になる。西岸とガザ地区をつなぐトンネルも建設する。ただ、国家樹立の条件に、ガザ地区のイスラム組織ハマスの武装解除など実現困難な内容を要求した。
 トランプ氏と共に声明を発表したイスラエルのネタニヤフ首相は「この機会を逃さない」と述べ、和平案に基づく交渉に応じる姿勢を示した。パレスチナ側はトランプ氏が2017年12月にエルサレムをイスラエルの首都と認定して以降、米政権による仲介を拒否しており、発表にも立ち会わなかった。
 歴代の米政権は、パレスチナ国家樹立を認める「2国家共存」に基づく和平プロセスを推進してきた。だがオバマ前政権が仲介した交渉は、イスラエルの入植活動継続にパレスチナが反発を強めたことで14年4月に決裂した。

図解・国際

  • アジア
  • 欧州
  • 中東・アフリカ
  • 北米・中南米
  • オセアニア
  • 世界・各国

新着

会員限定

ページの先頭へ
時事通信の商品・サービス ラインナップ