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※記事などの内容は2018年5月24日掲載時のものです
【ソウル時事】北朝鮮北東部の豊渓里核実験場では2006年10月9日の初回以降、計6回の核実験が行われた。北朝鮮は16年1月の4回目を「水爆実験」と主張。回数を重ねるごとに爆発規模は大きくなり、昨年9月の核実験では広島に投下された原爆(15キロトン)の10倍超に相当する160キロトン(TNT火薬換算)に達した。
米国の北朝鮮分析サイト「38ノース」によれば、核実験場では現地入りした取材団のための展望台とみられる設備が設置された。展望台は西側坑道付近に設けられ、西、南、北側坑道が見渡せる場所に位置している。
北朝鮮は東側坑道で最初の実験を行い、残り5回は北側坑道で実施。米シンクタンクによれば、東側坑道は既に廃棄された状態となっている。
万塔山の地下にある北側坑道付近では昨年9月の核実験以降、地震が相次いで発生しており、地盤の緩みが原因と分析する研究者もいる。38ノースも北側坑道は「最後の核実験後に放棄された」と指摘する。
北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長は4月末の南北首脳会談で、「既存の実験施設より大きな二つの坑道があり、健在だ」と発言。西、南側坑道について説明したとみられ、38ノースも「核実験を実施できる状態にある」と分析する。
正恩氏は「北部核実験場はその使命を終えた」と主張し、米朝首脳会談前の豊渓里核実験場廃棄を表明した。しかし、国際原子力機関(IAEA)や専門家の検証を経ずに廃棄することになり、「証拠隠滅だ」と批判する声も上がっている。
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