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【図解・国際】活発化する北朝鮮外交(2018年3月)

活発化する北朝鮮外交

北朝鮮、対米の布石着々=首脳外交で局面転換-「非核化」用い揺さぶりも

※記事などの内容は2018年3月31日掲載時のものです

 【ソウル時事】北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長が、首脳外交で朝鮮半島情勢の局面転換を図っている。3月下旬には電撃訪中し、習近平国家主席と会談。3回目となる南北首脳会談も4月27日に開催が決まった。中朝関係を好転させ、南北首脳会談で「和解」を演出し、最大の外交懸案である5月末までの米朝首脳会談を優位に進めるための布石を打っている。

 ◇複雑さ増す外交戦

 「朝中両国関係を立派に継承し、発展させる上で巨大な意義を持つ歴史的出来事だ」。朝鮮労働党機関紙・労働新聞(電子版)は3月30日、1面トップに正恩氏の訪中をたたえる社説を掲載した。
 同紙は28日にも1~7面を使って中朝首脳会談などを詳報。朝鮮中央テレビも連日、訪中の様子をまとめた約40分にわたる映像を繰り返し放映し、訪中成功を北朝鮮国内で強く印象付けた。
 4月中旬には北朝鮮の李容浩外相がロシアを訪問すると伝えられ、プーチン大統領とのロ朝首脳会談もささやかれ始めた。韓国紙・東亜日報は正恩氏の狙いについて、「トランプ米大統領との米朝会談に向け、交渉力を高める味方を確保し、全体の構図を揺さぶる意図」と分析。核問題をめぐる外交戦は複雑さを増しつつある。

 ◇「非核化」に条件

 正恩氏は3月26日、習氏との会談で非核化に応じる構えを見せたが、「段階的で歩調を合わせた措置」と条件を付けた。河野太郎外相は同30日、北朝鮮の意思は「現時点で極めて不明確。行動を伴うのかしっかり見ていく」と警戒を強める。
 「段階的」という言葉も波紋を呼んでいる。2005年9月の核問題をめぐる6カ国協議の共同声明では「行動対行動」の原則の下、合意事項の履行に合わせ見返りを提供する形で、段階的に核放棄の実現を目指した。だが、北朝鮮は結局、核開発を継続。段階的なアプローチは実を結ぶことはなかった。
 北朝鮮は条件付きの非核化を打ち出すことで米国の「軍事的選択肢」をけん制。また、対価として体制保証のほか、米韓合同軍事演習の中止を求める可能性もある。一方のトランプ政権は「言葉でなく具体的な行動がカギになる」との立場で、米朝首脳会談を前に両者の駆け引きは激しくなりそうだ。 

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