図解
※記事などの内容は2017年2月15日掲載時のものです
【ソウル時事】北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長には異母兄の正男氏のほかに、父母が同じ兄の正哲氏と妹の与正氏がいる。与正氏は党幹部を務め、正恩氏の現地視察に同行する姿も確認されているが、正哲氏は国内で監視下に置かれているといわれ、対照的な生活を送っているもようだ。
世宗研究所の鄭成長・統一戦略研究室長によると、正哲氏は1993年からスイスに留学し、98年に帰国。2001~06年に金日成軍事総合大学で学んだ。一時は後継者とも目されたが、野心がなく、温和な性格が災いし、正男氏と同じく後継争いから脱落したとされる。
正哲氏は15年5月、ロンドンで開かれた英ロック歌手エリック・クラプトンさんの公演会場に現れたと報じられた。この時に同行したのが、韓国に昨夏亡命した北朝鮮のテ・ヨンホ元駐英公使。テ氏は正哲氏について「政治に関心はなく、北朝鮮での役割もない」と述べ、「クラプトンにしか興味がない」と語っている。
聯合ニュースは15日、韓国政府当局者の話として、正哲氏が「現在、北朝鮮で監視下に置かれ、暮らしている」と伝えた。国家保衛省(秘密警察)による監視は緩く、外出はできる状態にあるとされる。
一方、30歳前後とされる与正氏は党宣伝扇動部副部長として正恩氏を支え、昨年5月に36年ぶりに開かれた党大会でもパレードや祝賀行事で奔走する姿が目撃された。正恩氏の現地視察にもたびたび同行し、国営メディアでもその姿が伝えられている。
正恩氏らの父である金正日総書記の時代にも、妹の慶喜氏が兄を支える役割を果たしていた。与正氏も「ロイヤルファミリー」の一員として、政権内で一定の影響力を保っているとみられる。
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