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【図解・国際】韓国国会の議席数(2020年4月)

韓国国会の議席数

文政権、レームダック回避=コロナ危機で安定選択―巨大与党誕生・韓国総選挙

※記事などの内容は2020年4月16日掲載時のものです

 【ソウル時事】15日投票の韓国総選挙(定数300)は16日、全議席が確定し、与党「共に民主党」と系列政党が180議席を獲得、改選前の128議席を大幅に上回る圧勝を果たした。新型コロナウイルス危機への対応で与党を勝利に導いた文在寅大統領は求心力を維持し、レームダック(死に体)化を当面回避する見込みだ。

 ◇無党派層は政権支持

 「国難克服のため死力を尽くしている政府に力を与えてくれた」。文大統領は16日、選挙結果をこう振り返り、国民に謝意を示した。「決して気を緩めず、謙虚に国民の声に耳を傾ける」とも強調し、与党圧勝にも低姿勢を貫いた。
 選挙で顕著だったのは投票率の高さ。新型コロナ感染が続く中、2016年の前回選挙を8.2ポイント上回る66.2%を記録。1992年の総選挙後では最も高かった。与党は無党派層の支持獲得に成功し、ソウルなど首都圏の小選挙区121議席中103議席を席巻。コロナ危機という非常事態に国民は政治の安定を選んだ。

 ◇与党、公約実現へ

 国会では、本会議への法案上程に在籍議員の5分の3以上の賛成を義務付ける「国会先進化法」の存在で、与野党が対立する法案の審議が滞ってきた。巨大与党の誕生で迅速な法案処理が可能となり、文政権は公約である検察改革に突き進む見通しだ。
 今回、与党から文大統領に近い大統領府高官経験者18人が当選した。文氏はこうしたグループを通じて党内を掌握し、来年後半に本格化する次期大統領選の候補者選びにも影響力を行使するとみられる。

 ◇対日は先送りも

 共に民主党系列の比例政党からは、慰安婦問題をめぐる15年末の日韓合意に強く反対する市民団体の代表を務めた尹美香氏が当選。尹氏は選挙前、韓国メディアに「国会で真相究明と(日本の)謝罪などを求める法律を整備する」と強調し、国際社会と連携する意向を示した。
 ただ、選挙戦では新型コロナ問題にかき消され、日韓や北朝鮮非核化、低迷する経済対策をめぐる論争は深まらなかった。日本企業の資産売却手続きなど元徴用工問題をめぐる解決策も議論されず、関係改善への道筋は不透明なまま。「新型コロナ対応で、日韓問題は当面、先送りされるだろう」(韓国の専門家)との見方も出ている。 

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