図解
※記事などの内容は2019年10月3日掲載時のものです
【ソウル時事】韓国検察は3日、チョ・グク法相の妻で韓国東洋大教授のチョン・ギョンシム氏の事情聴取に踏み切った。チョ氏をめぐっては私募ファンドへの不透明な投資や子どもの大学院不正入学疑惑が浮上しているが、文在寅大統領はチョ氏の下で政権公約の検察改革を進める構えを崩さない。大統領府と検察の確執は一層深まっており、捜査の行方は政権運営を左右する見込みだ。
検察は9月、娘の大学院入学のため、勤務先の大学総長の「表彰状」を偽造した罪でチョン氏を在宅起訴。チョン氏は2016年に設立された私募ファンド運用会社に出資した上、経営に不正に関与したとして、資本市場法違反などの疑いも持たれている。
チョ氏に対しては、前職だった大統領府高官当時にチョン氏の投資に関与し、政府高官の直接投資を禁じた公職者倫理法に違反した疑いを指摘する報道がある。チョ氏は「ファンドの構成や運営は知らなかったので、関与しなかった」と疑惑を否定。妻への聴取で、チョ氏の関与がどこまで解明されるかが焦点だ。
文氏は7月、「権力に振り回されない姿勢」を評価し、朴槿恵前政権の不正を追及した尹錫悦氏を検事総長に抜てき。だが、尹氏がチョ氏周辺への捜査の手を緩めない中、文氏は9月に「人権を尊重する、自制した検察権の行使が重要だ」「検察改革を要求する国民の声が非常に大きい」と発言し、検察を強くけん制した。
チョ氏の法相任命への反発から文氏の支持率は一時、過去最低の40%を記録。ただ、革新系の人気が根強いチョ氏を切り捨てれば、支持層が離反し、政権が一気にレームダック(死に体)化する恐れもある。
チョ氏をめぐり韓国世論の対立も激化している。文氏発言直後の9月末にはソウル中央地検前で検察改革を求める大規模な集会が開かれた。一方、保守系団体は今月3日、ソウル中心部でチョ氏の罷免を訴える集会を開催し、「チョ・グク拘束」「文在寅下野」と気勢を上げた。
新着
会員限定