図解
※記事などの内容は2019年11月23日掲載時のものです
【バンコク時事】フランシスコ・ローマ法王が20日、タイのバンコクに到着した。
ローマ・カトリック教会トップのフランシスコ教皇(82)が23日から4日間の日程で日本を訪問する。歴代教皇の来日は、故ヨハネ・パウロ2世以来38年ぶり2回目。フランシスコ教皇は24日に被爆地の長崎、広島両市を訪問し、核兵器廃絶と平和へのメッセージを発信する。
フランシスコ教皇は今回の来日で、「すべての命を守るため」をテーマに掲げている。
宗教の枠を超えて命の大切さを説き、特に「核兵器なき世界」の実現への努力に焦点を当てる見通しだ。教皇は2013年の就任以来、広島・長崎にたびたび言及し、核兵器の危険性に警鐘を鳴らしてきた。
教皇が国家元首を務めるバチカンは17年9月、国連で採択された核兵器禁止条約をいち早く批准。同年11月にバチカンで開かれた国際会議で、教皇は「核兵器は使用するのと同様に保有することも断固として非難されるべきだ」と明言し、他国の核兵器に対する抑止目的でも保有してはならないとする立場を示した。
ヨハネ・パウロ2世も1981年2月、広島の平和記念公園で「広島を考えることは、核戦争を拒否することだ」と平和アピールを発表した。しかし翌年の国連で核抑止力を限定的に認める発言をしており、フランシスコ教皇が被爆地でどのようなメッセージを打ち出すのか注視される。
教皇は23日にタイから羽田空港に到着。25日には東京で天皇陛下や安倍晋三首相と会談し、26日に帰国の途に就く。日本側としては、バチカンが1919年に初代駐日使節を任命してから100周年に当たることから、2国間関係の一段の強化を図り、日本人拉致問題の早期解決などで理解と協力を求める考えだ。
フランシスコ教皇は、日本に初めてキリスト教を伝えた宣教師フランシスコ・ザビエルらが創設したイエズス会の出身。87年に宣教活動の視察で来日したことがある。
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