図解
※記事などの内容は2017年10月18日掲載時のものです
【カイロ時事】過激派組織「イスラム国」(IS)が「首都」と称したシリア北部ラッカでは、大規模な軍事作戦を終えた18日もクルド人主体の民兵組織「シリア民主軍」(SDF)によるIS残党の掃討や地雷の除去作業が続いた。SDFのスポークスマンは「間もなく解放が正式に宣言される」と話しており、「イスラム国家」の実現はついえた。
ラッカ制圧は、7月に奪還したイラク第2の都市モスルに次ぐ大きな戦果。空爆などでSDFを支援する米軍主導の有志連合によれば、これまでの作戦でラッカ市街地の9割以上が既に解放され、残りの市域掌握も時間の問題とみられる。これにより、シリアでISが勢力を維持するのは東部のイラク国境付近など一部に狭まった。
イラクでもISが依然支配する地域はシリア国境沿いに限られ、IS攻略作戦は最終局面を迎えている。イラクのアバディ首相は17日の記者会見で「近いうちに国境地帯を確保し、全地域の解放を宣言する」と語った。
米軍主導の有志連合は「ISが(シリアとイラクで)かつて支配した地域の87%から戦闘員を駆逐し、650万人以上を解放した」とこれまでの成果を強調した。ISは当初、指導者バグダディ容疑者を預言者ムハンマドの後継者「カリフ」とみなし、両国にまたがる広大な地域で支配権確立を目指していた。
新着
会員限定