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【図解・国際】「イスラム国」をめぐる動き

「イスラム国」をめぐる動き

IS「国家」崩壊=シリア最後の拠点制圧-クルド人勢力が宣言

※記事などの内容は2019年3月23日掲載時のものです

 【エルサレム、ワシントン時事】米軍の支援を受けるシリアのクルド人主体の民兵組織「シリア民主軍(SDF)」は23日、過激派組織「イスラム国」(IS)が支配していたシリア東部バグズを制圧したと宣言した。バグズはシリアに残されたISの最後の拠点とされ、支配領域を持つ疑似国家としてのISは崩壊した。
 SDF報道官はツイッターで「バグズは解放された。ISのいわゆるカリフ国家は完全に消滅した」と表明した。
 トランプ米政権はこれを受け、米軍の早期撤収を図る方針だが、イラク、シリア両国に散らばったIS残党はいまだ数万人に上るとされる。米軍撤収による「力の空白」に乗じてISが勢力を盛り返す可能性もある。IS最高指導者アブバクル・バグダディ容疑者の所在が分からないままなのも不安要素だ。 
 米国防総省監察総監がまとめた報告書によれば、中東地域でIS掃討戦などを展開する米中央軍は「軍事的圧力が維持されなければ、ISは6~12カ月で勢力を盛り返し、再び限定的な領土を確保する恐れがある」と指摘する。
 バグダディ容疑者は2014年6月、自らを「カリフ」(預言者ムハンマドの代理人)と名乗り、国家樹立を宣言。一時はシリアとイラクにまたがる広大な地域を支配した。
 オバマ米政権が14年8月に開始した軍事作戦でISは徐々に支配地域を失い、シリアでは17年に「首都」とされた北部ラッカを失った。SDFは今年に入り、シリア東部で対IS最終掃討作戦を開始。トランプ大統領は2月末以降、IS支配地を「100%制圧した」と繰り返し表明していたが、その後もバグズでISの抵抗が続いていた。

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