図解
※記事などの内容は2019年2月20日掲載時のものです
【ロンドン時事】英国の自動車産業が揺らいでいる。欧州連合(EU)離脱をめぐる混乱で、経済に大打撃をもたらしかねない「合意なき離脱」が現実味を帯びる中、自動車メーカーが相次いで英国事業の縮小・見直しを打ち出した。ホンダは2021年に工場を閉鎖する。
19世紀からの伝統を持つ英自動車産業は1950年代には米国に次ぐ規模を誇った。約8割の自動車が輸出向けで、今でも最大の輸出品だ。クラーク民間企業相は19日の議会で「世界最高の車を造るには、英国が最高の場所だとホンダはいつか気付くだろう」と強弁した。
しかし、英国事業を縮小するメーカーは後を絶たない。日産自動車は生産計画の一部を撤回。英ジャガー・ランドローバー(JLR)は大規模な人員削減を計画し、米フォード・モーターも部品工場などの他国への移転を検討しているという。
欧州での需要減に加え、合意なきEU離脱への懸念が重くのしかかる。自動車生産の現場は極力、部品の在庫を抑えているため、離脱後の混乱で物流が停滞すれば生産は打撃を受ける。また、EUへの輸出には10%の関税が上乗せされる。
ホンダ、JLR、独BMWは3月末の離脱直後から操業を一時停止する。同様の対応を検討するトヨタ自動車は「合意なき離脱となれば、それだけでは済まない」(関係者)とみる。
日本とEUの経済連携協定(EPA)が2月に発効し、日本メーカーが英国で生産する必要性が低下したことも英自動車産業には逆風だ。英国内の自動車生産の約半分は日本勢が占めるだけに、「自由貿易が勝者(日本)と敗者(英国)をつくった」(与党・保守党議員)との嘆きも聞かれる。
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