図解

【図解・国際】英総選挙・英国下院の新勢力(2017年6月)

英国下院の新勢力

英総選挙、保守党敗北=過半数割れも首相続投-EU離脱に影響

※記事などの内容は2017年6月9日掲載時のものです

 【ロンドン時事】欧州連合(EU)との離脱交渉などを争点に8日行われた英下院(定数650)総選挙は、9日までに開票をほぼ終え、与党・保守党が議席を減らして過半数(326)を割り込んだ。解散・総選挙の賭けに出たメイ首相は想定外の結末を迎えた。保守党は第1党を維持したため、首相は北アイルランドの地域政党・民主統一党(DUP)の協力を仰いで多数を確保し、新政権を樹立すると表明。ただ、事実上の敗北に、保守党内で首相の責任を問う声が強まりそうだ。
 首相は9日、組閣の許可を得るためバッキンガム宮殿でエリザベス女王に面会した。その後首相官邸に戻り、「危機の英国を前進させる政権を発足させる。DUPと協力していく」と続投を発表。19日にも着手するEUとの離脱交渉を予定通り進める意向もにじませた。
 最大野党・労働党のコービン党首が首相に退陣要求を突き付けており、首相は動揺を鎮めるため、一刻も早い対応が必要と判断したもようだ。
 ただ、首相が選挙戦で掲げた移民規制重視の「ハード・ブレグジット(強硬な離脱)」は有権者の幅広い支持を得られなかった。政権基盤は弱まり、離脱への道は混沌(こんとん)としている。
 英メディアは首相について、「レームダック(死に体)」だと野党幹部が批判していると伝えた。
 最新集計の議席数は、保守党が318(改選前330)、最大野党・労働党が261(同229)、地域政党・スコットランド民族党(SNP)が35(同54)、EU残留派の自由民主党が12(同9)、DUPが10(同8)。保守党とDUPは合計で328と過半数に達する。
 EU離脱を決めた昨年6月の国民投票後、混乱の中で就任した首相は、難航が予想されるEUとの交渉に政権基盤を固めて臨もうと、今年4月に前倒し総選挙を表明した。選挙戦の最中に中部マンチェスターとロンドンでテロが相次ぎ、治安対策も大きな争点となった。
 英政府は3月末に離脱の意思をEUに通告。原則2年の交渉期間は刻一刻と経過しており、交渉手前で足踏みが続けば、EUとの「最善の合意を手にする」(首相)目標は達成が遠のく。 

図解・国際

  • アジア
  • 欧州
  • 中東・アフリカ
  • 北米・中南米
  • オセアニア
  • 世界・各国

新着

会員限定

ページの先頭へ
時事通信の商品・サービス ラインナップ