図解
※記事などの内容は2017年6月8日掲載時のものです
【ロンドン時事】英下院(定数650)選の投票が8日、全国約4万1000カ所の投票所で始まった。欧州連合(EU)離脱交渉に向け、メイ首相率いる与党・保守党が過半数を維持するかが焦点だ。世論調査では、保守党が最大野党・労働党に対するリードを終始保って投票日を迎えた。
投票は午後10時(日本時間9日午前6時)に締め切られ、即日開票される。9日早朝(日本時間同日午後)にも大勢が判明する見通し。英国で相次ぐテロが有権者の投票行動にどう影響を及ぼすかも注目される。
主要各党の改選前議席数は、保守党が過半数をわずかに上回る330、労働党が229、スコットランド民族党(SNP)が54。
移民規制重視の「ハード・ブレグジット(強硬な離脱)」を掲げるメイ首相は4月、難航が予想されるEUとの交渉を乗り切るためには強固な政権基盤が必要と判断し、前倒し総選挙を表明。選挙戦で「保守党への1票は(EU離脱で)英国に最善の結果をもたらす1票だ」と訴えた。
当初、保守党は400議席獲得も視野に「地滑り的勝利」(英メディア)が見込まれたが、マニフェスト(政権公約)に盛り込んだ高齢者福祉改革が不評を買い、支持率が低下。労働党の追い上げも受け、各種世論調査でのリードは20ポイント前後から1桁台にまで縮まった。
ただ、大部分の調査では保守党が5~12ポイント差をつけて優勢。選挙の行方は予断を許さないが、一部メディアは保守党が労働党をかわし、逃げ切りに入ったとの見方を伝えている。
選挙戦は5月22日に中部マンチェスター、今月3日にロンドン中心部で発生したテロで2度にわたって中断される異例の展開となった。労働党のコービン党首は、メイ首相が内相時代に警官約2万人を削減したとして、「労働党は1万人増やす」とアピールした。
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