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【図解・国際】EU離脱における英国債の格付けと各国の国債格付け(2016年6月)

EU離脱における英国債の格付けと各国の国債格付け

英国債、格下げ相次ぐ=S&Pは2段階-EU離脱

※記事などの内容は2016年6月28日掲載時のものです

 【ニューヨーク時事】英国の欧州連合(EU)離脱決定を受け、大手格付け会社S&Pグローバル・レーティングは27日、英国債の格付けを最上級の「AAA」から「AA」に2段階引き下げた。フィッチ・レーティングスも上から2番目の「AAプラス」から「AA」に1段階下げた。英国の政治・経済情勢は不透明感を増しており、今後も格下げが続けば英国債利回りが急上昇し、金融システム不安を招く可能性もある。
 両社は今後の見通しについて、さらに引き下げを検討する「ネガティブ(弱含み)」とした。ムーディーズ・インベスターズ・サービスも24日、見通しを「安定的」から「ネガティブ」に引き下げていた。
 S&Pは、EU離脱は「英国の政策の予見性や安定性、効率性を失わせる重大な出来事だ」と指摘。英経済はEUの単一市場へのアクセスが難しくなり、主要産業である金融部門を含めて悪化は避けられないと分析した。また、スコットランドの独立問題が再燃し、国家分裂の危機を招くとの懸念も示した。
 一方、フィッチは企業の投資活動の減退などで、英国の実質GDP(国内総生産)伸び率見通しを、2016年は1.6%(従来1.9%)、17年は0.9%(同2.0%)にそれぞれ下方修正した。
 日本の格付投資情報センター(R&I)も28日、英国の外貨建てと自国通貨建ての発行体格付けの方向性を「安定的」から「ネガティブ」に変更したと発表した。
 英国の経常赤字は高水準にあり、海外からの資金で赤字を穴埋めしている。格下げで国債の信用力が大きく損なわれれば、資金調達に困難が生じる恐れもある。英大手銀行の格下げも取り沙汰されている。 

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