図解
※記事などの内容は2016年6月24日掲載時のものです
【ロンドン時事】英国で23日に実施された欧州連合(EU)離脱の是非を問う国民投票は、24日朝(日本時間午後)までの開票の結果、離脱支持が小差ながら半数を上回った。英国民は前身の欧州共同体(EC)を含めると43年にわたるEU加盟に終止符を打つ歴史的な判断を下した。これを受け、残留派を率いてきたキャメロン首相は辞意を表明。EUは域内第2位の経済規模の英国を失い、欧州全体の行方にも不透明感が広がっている。
英国は今後、EU基本条約(リスボン条約)50条の規定に従い、2年間の交渉期間を経て離脱する運びとなる。キャメロン首相は声明で、新たな首相が交渉に当たり、その開始時期も決めるべきだと強調。10月の与党・保守党大会までに辞任する考えを示した。
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今回の結果に直撃された24日の東京外国為替市場は大混乱に陥り、「安全資産」とされる円に投資家の資金が逃避。一時1ドル=100円を突破し、英ポンドは急落した。日経平均株価の終値は前日比1286円安の大幅な下げとなった。
国民投票の首席集計官が24日朝、中部マンチェスターで発表した最終結果は、離脱1741万742票(51.89%)、残留1614万1241票(48.11%)。離脱派を主導した英独立党(UKIP)のファラージュ党首は「6月23日を独立記念日にしよう」と歓喜の声を上げた。投票率は72.2%と国民の関心の高さを示した。
残留派は「離脱は英経済に大打撃となる」と主張。離脱派は、域内の移動の自由の原則により流入するEU諸国からの移民の脅威を強調した。残留派はロンドン、マンチェスターなど大都市部やスコットランドで強みを見せたが、大都市部を除くイングランド地方部では予想以上に離脱派の勢いが大きかった。
キャメロン首相は2013年、国民投票の実施を公約。今年2月のEU首脳会議で、英国が求めたEU改革案で合意したのを受け、残留を訴えて今回の投票に臨んだ。
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