図解
※記事などの内容は2016年6月21日掲載時のものです
【ロンドン時事】英国の欧州連合(EU)残留か離脱かを問う国民投票が23日に実施される。離脱となった場合は、世界経済への深刻な打撃や混乱が予想されるだけに、英EU関係や欧州統合の問題を超えて世界的な関心を集める。EU離脱による経済悪化リスクを強調する残留派と、英国社会を脅かすEU域内からの移民を制御すべきだと主張する離脱派の間で激しい競り合いが続き、最後までもつれている。
両派の論戦が過熱し、投票まで1週間と迫った16日、残留派として活動していた最大野党・労働党のジョー・コックス下院議員(41)が極右団体との関係が疑われる男に銃撃され死亡する事件が発生。国内は突然の悲劇で衝撃と悲しみに包まれ、両派とも18日まで運動をほぼ中断する異例の事態となった。
それまで、離脱派の移民問題に焦点を当てた戦術が奏功して勢いを増し、世論調査でリードする局面が増えていたが、殺された議員への同情や、一部離脱派の極右的な反移民・難民の主張に対する批判が高まり、事件が残留派有利に影響を及ぼすとの見方が強い。
事件後に実施された世論調査では、20日夜にデーリー・テレグラフ紙(電子版)に掲載された調査で残留支持53%、離脱が46%と久しぶりに残留派が大幅リード。一方で、ユーガブ社の調査では逆に離脱派が2ポイント優勢だった。総合的には伯仲状態のままだ。
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