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【図解・国際】海外日系新聞の発行部数(2018年12月)

海外日系新聞の発行部数

ブラジル邦字紙、72年の歴史に幕=高齢化、日本語離れで部数減

※記事などの内容は2018年12月20日掲載時のものです

 【サンパウロ時事】72年の歴史を誇るブラジルの邦字紙「サンパウロ新聞」(本社サンパウロ市)は20日、来年1月1日付の新年号(22日発行)をもって廃刊すると明らかにした。同紙は1946年10月12日創刊。60年代半ばには実売8万部を数え、世界最大の日系社会のオピニオンリーダーを担ってきたが、読者高齢化と日系社会の日本語離れを受けて部数が激減。経営が悪化していた。
 同紙によると、購読者の9割は日本語を理解する日系1世や2世で、平均年齢は80代。購読者の死去などで近年は部数が低下の一途をたどった。鈴木雅夫・社長兼編集局長は「断腸の思いだ。一世を中心とした日系社会と運命共同体だったが、時代が変わりどうしようもなかった」と説明。「ニッケイ新聞に頑張ってほしい」と、同じサンパウロに拠点を置くライバル紙に後を託した。
 20年にわたる購読者という同市在住の青木敏枝さん(81)=福岡県出身=は「ブラジルや遠い日本の出来事を知るのを毎日楽しみにしていた。本当に寂しく残念」と肩を落とした。
 ブラジルでは第2次世界大戦終戦直後、情報不足から移民の間で日本が勝ったと主張する「勝ち組」と敗戦を認める「負け組」が対立。20人以上が殺害される事件が起きた。サンパウロ新聞は「日本語による正しい情報伝達の必要性を痛感」して創刊。77年にはブラジル日系社会における報道、啓蒙(けいもう)、親善に果たした役割を認められ、菊池寛賞(日本文学振興会主催)を受賞した。
 ブラジルでは戦後、サンパウロ新聞とパウリスタ新聞、日伯毎日新聞の日刊3紙が部数を競ってきたが、1998年にパウリスタと日伯毎日が合併しニッケイ新聞に。20年にわたり2紙体制が続いていた。 

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