図解
※記事などの内容は2019年6月28日掲載時のものです
トランプ米大統領と中国の習近平国家主席は29日、首脳会談に臨む。暗礁に乗り上げた貿易交渉の再開で一致し、追加関税の応酬を停止する「休戦」にこぎ着けられるかが焦点。中国に貿易慣行の是正を確約するよう求める米国に対し、中国は通信機器最大手の華為技術(ファーウェイ)への制裁解除を強く要求。互いに譲れない一線をめぐる駆け引きが激しさを増している。
米中首脳会談は昨年12月以来。大阪市での20カ国・地域首脳会議(G20サミット)に合わせて行われ、貿易交渉の責任者ライトハイザー米通商代表部(USTR)代表と中国の劉鶴副首相が事前調整を行う。米ブルームバーグ通信によると、両閣僚は24日にも電話で協議したが、貿易交渉の合意内容をめぐる対立は解けなかった。
米紙ウォール・ストリート・ジャーナルは27日、習主席が会談で(1)米企業との取引を事実上禁じられたファーウェイへの制裁解除(2)対中追加関税の全廃(3)米国産品の購入目標を積み増ししない-の3点を要求する方針と伝えた。景気減速に直面する中国側は「休戦」への期待が根強い。香港紙は、米中両国が今後6カ月間、新たな関税措置を棚上げすることで暫定合意したと報じた。
一方、米国側は首脳会談に厳しい姿勢で臨む姿勢を崩していない。トランプ大統領は米メディアに「貿易合意に至ることは可能だが、今のままでも非常に満足」と発言。中国側の歩み寄りが合意の前提とした上で、会談が不調に終われば、中国からの全輸入品に追加関税を拡大する可能性があると強調した。
クドロー米国家経済会議(NEC)委員長や米政府高官は27日に、「合意内容を確実に実行させる強制力のある枠組みが必要」「米国がファーウェイ制裁解除に応じる可能性は低い」と述べ、安易に妥協しない姿勢を示して「休戦」に対する一部の楽観論を打ち消した。
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