図解
※記事などの内容は2019年6月27日掲載時のものです
トランプ米大統領と中国の習近平国家主席は29日、20カ国・地域首脳会議(G20大阪サミット)に合わせて会談する。暗礁に乗り上げた貿易交渉は再び動きだすのか。米中いずれも相手の譲歩を引き出そうと、追加関税や企業制裁などで揺さぶりをかけている。
◇追加関税
トランプ大統領は26日、首脳会談が不調なら、中国からの輸入品ほぼすべてに追加関税を拡大する「第4弾」の発動を検討すると改めてけん制した。これに対し、中国が米国産農産物に課す報復関税を引き上げる可能性もある。ただ、課税対象を広げる余地は小さく、関税を使った対抗策は限界に近づいている。
◇ハイテク技術競争
トランプ大統領は、米企業との取引を事実上禁じた中国通信機器最大手、華為技術(ファーウェイ)に対する制裁の緩和をちらつかせ中国に譲歩を促している。米国は中国政府系のスーパーコンピューター開発大手と米企業の取引も禁じたほか、中国からの研究者や留学生のビザ審査を厳格化した。
一方、中国商務省は米企業などを対象とした「信用できない企業」のリストを作成すると表明した。
◇資源禁輸
中国がハイテク技術や軍事面で検討する対米報復は、レアアース(希土類)の輸出制限。スマートフォンや次世代自動車、戦闘機に欠かせない資源で、産出量の7割を中国が握る。米国は輸入の8割を中国産に依存する。
◇金融・為替
中国紙・環球時報は、対米報復として米国債売却もあり得ると警告した。ただ、大量に売れば金融市場が混乱する恐れがある。関税合戦が激化する中、中国が対米輸出に有利な人民元安へ誘導する可能性も取り沙汰されており、トランプ政権は監視を強めている。
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