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【図解・国際】米中対立の構図と経緯(2019年3月)

米中対立の構図と経緯

米中対立、世界経済に影=終わらぬ貿易戦争-鉄鋼制限から1年

※記事などの内容は2019年3月22日掲載時のものです

 【ワシントン時事】トランプ米政権が安全保障を理由に鉄鋼・アルミニウムの輸入制限措置を発動してから23日で1年。追加関税による輸入品排除は中国の激しい報復を招き、昨年夏、高関税の応酬となる貿易戦争に突入した。米中双方が打撃を受け、世界経済に影を落とすが、二大国の対立は最先端のハイテク分野にまで及んでいる。
 米政権による対中強硬策の最大の狙いは、知的財産権の侵害や国有企業への優遇といった不公正な貿易慣行の是正。鉄鋼・アルミ制限に加え、中国からの年間輸入実績の半分に当たる2500億ドル(約28兆円)に追加関税を課した。
 攻撃の対象はモノ以外にも広がっている。米国は軍事転用が可能な先端技術の流出を防ぐため、中国企業の対米投資と、米国企業の対中輸出の規制をそれぞれ事実上強化。中国人研究者のビザ審査も厳格化した。中国が次世代通信規格「5G」戦略の主軸に据える通信機器大手、華為技術(ファーウェイ)の起訴にも踏み切った。
 米中首脳は昨年12月、制裁・報復関税の応酬を見合わせる「一時休戦」で合意し、貿易協議を再開した。だが、米中摩擦の副作用は、既に世界経済をむしばんでいる。金融・株式市場の動揺は収まらず、米欧の中央銀行は金融政策の軌道修正に追い込まれた。日本の内閣府は今月、景気全体の判断を3年ぶりに下方修正した。
 中国の崔天凱・駐米大使は米メディアとのインタビューで「米国が両国経済の分断(デカップリング)を試みれば、世界中で悲惨な結果を招く」と警告した。ただ、米政権や議会、経済界は、長年にわたり頭痛の種だった中国の貿易慣行の是正に向けて歩調を合わせており、ピーターソン国際経済研究所は「対立の構図は数十年変わらない可能性がある」と分析している。

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